ヘルニアが起こり神経が圧迫されると、腰痛と下肢痛(鋭い電撃痛)やしびれを訴えます。
下肢痛に下記の症状が伴えば、坐骨神経痛です。
伴わない場合は、関連痛の可能性があります。
また、膝を伸ばした状態で足を挙上出来なくなります(ラセーグ徴候またはSLR陽性)。
症状は、急激に生じる事も、徐々に生じる事もあります。
図6●の所(後外側)にヘルニアを起こすのが一般的です。
腰椎4番と5番間のヘルニアでは、L5神経根が圧迫されます。
L5神経根が圧迫されると、
爪先を挙られなくなり、踵(かかと)で歩く事が困難になります。
又、すねの外側から足の甲にかけて感覚が鈍くなります(各絞扼性神経障害による痛み・シビレの範囲、図3参照)。
腰椎5番と仙骨間のヘルニアでは、S1神経根が圧迫されます。
S1神経根が圧迫されると、
爪先立ちでの歩行が困難になります。
又、足の小指側から足の裏にかけて、感覚が鈍くなります。
アキレス腱反射も低下します。
稀に、比較的外側の図7●の所でヘルニアを起こす事があります。
腰椎4番と5番間のヘルニアでは、L4神経根が圧迫されます。
L4神経根が圧迫されると、足の親指側を浮かし、小指側での歩行が困難になり、膝を伸ばす力も弱くなります。
又、すねの内側の感覚が鈍くなります。
膝蓋腱反射も低下します。
腰椎5番と仙骨間のヘルニアでは、L5神経根が圧迫されます。
図7●の様に、大きなヘルニアが真ん中に飛び出す事もあります。
この場合は馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されます。
*馬尾神経(ばびしんけい)
脊髄は腰椎1番~2番の高さで終わり、そこから神経が馬のしっぽの様に背骨の中を下りてきます。
この神経の束を馬尾神経と呼びます(図7参照)。
症状が両下肢に現れ、排尿・排便障害、性機能障害が起こります。
また、自転車に乗った時、お尻がサドルに当たる部分に、しびれや感覚の麻痺が起こります(サドル麻痺)。
このような症状があれば、馬尾神経の圧迫症状です(馬尾症候群)。
*馬尾症候群と坐骨神経痛は別の疾患です。
筋肉の麻痺、感覚の麻痺、排尿・排便障害、性機能障害があれば、すぐに整形外科を受診して下さい。
図8上のようにヘルニアが神経の内側に出た場合は、神経への圧迫を避ける為に、下肢痛のある側に体を倒します(疼痛回避姿勢)。
比較的少ないタイプです。
このタイプは矯正が難しく、脱出型・2に移行しやすいと考えられます。
図8下のようにヘルニアが神経の外側に出た場合は、下肢痛の無い側に体を倒します。
このタイプの脱出型は矯正が可能です。
下肢痛の無い突出型のヘルニアの場合は、突出した側の反対方向に体を倒し、腰を曲げた姿勢になります。
前に屈んだり、腰を伸ばすと痛みを引き起こします。
脱出型ヘルニアでは、腰の曲げ伸ばしが可能な事が多いようです。
また、腰に痛みが無く、下肢の症状が主に現れる場合もあると言われています。
やまだカイロプラクティック院・鍼灸院
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